ポジティブ子育てのススメ 2
例えば、子どもが靴を履こうとして、
ぽーんと靴を放り投げた。
その時「拾ってきなさい」と「正しいこと」を言うと
子どもの心はかたくなになるばかりです。
そんな時は
「あ、その靴いらないんだったら、ママもーらい」
などとユーモアを交えた変化球を投げると効果的。
子どもは、慌てて履いたりします。
また、叱った時
「謝りなさい」とストレートに言うのも
子どもを追い詰めることに。
「買い物に行こうか」とか
「ちょっと手伝って」と気分を変えてあげると、
気持ちを立て直して、
「ごめんね」と言いやすくなります。
「◯◯しなさい」は上からの目線の命令で、
なぜそうするのか、子どもにはわかりにくい言葉です。
「ダメ!」もそれだけでなく
「危ない!」「痛い!」を付け加えましょう。
「うるさい」「危ない」「痛い」は、
子どもが実感できる言葉。
うるさいならやめよう、
危ない・痛いならやめようと、
自分をセーブできるようになります。
人の気持ちは、感情表現と共に伝わります。
公園などで、わが子を叱る必要がないのに、
よその子のお母さんの手前叱るとか、
一応叱っておこうとか、
感情を伴わない叱り方はやめましょう。
逆に、注意を聞き流すようになってしまいます。
これは事実です。
親は子どもの成長の源。
仲の良い夫婦の子は根っこが安定しているので
甘えん坊でも泣き虫でも必ず力を発揮します。
夫婦の基盤がしっかりしていれば
子育てはうまくいくのです。
多様な人で成り立っているのが、世の中です。
100%自分の考えが正しいということはありません。
価値観が違っていても、
認め合って結婚したのでしょう。
例えば母親が叱った時、父親が子どもに
「ママが言うことも正しいけど、できないよなぁ」
などと耳打ちをする(母親と父親が逆でも)。
子どもは「別の見方もある」と知り
「パパ(ママ)はわかってくれている」と
心強く思います。
夫は言葉の裏に隠れている、
妻の気持ちに気付いてください。
妻が「子育てして」とか「家のこともやってよ」とか
総論的な言い方をしたら、
「妻として関心を示して」というサインです。
子どもにとってはママでも、
妻には夫として向き合うことが大切。
「今は忙しくて無理なんだ、ごめんね」と
本音で答えればいいのです。
マザー・テレサは、最も貧しく弱い人々に寄り添い、
私心なく、献身的に働いた人です。
子どもが病気になった時の母親も
自分を抜きにして、必死になって看病する。
その姿は、マザー・テレサと
ちっとも違わないと思います。
このような無償の愛を持てる
(私流に言えば「私って、何ていい人」と思える)のは、
子育てだからこそ。
子どもが、自分の中に
崇高な気持ちがあると気づかせてくれたのです。
そんな素敵なプレゼントを
子どもからもらったと思うと、
大らかに子育てすることができます。
子どもが初めて歩いた時、親は心から喜びます。
2、3歩、歩けるようになったら、子どもの能力を信じ、
少し前で「おいで」「万が一の時は助けよう」という感じで待つでしょう。
そして、子どもが、パタッと倒れても
何度でも付き合う。
これらは全部「いい教育者」の条件なんです。
お母さんは自然にそれを備えている。
子どもが大きくなっても、
そのやり方で教えてほしいですね。
汚れ物を洗い
散らかった部屋を片付け
食べさせたら寝かしつけ…と
いっぱいすることはあるのに
特別なことは何もない
それが子育てです。
その繰り返しがイヤだと思えば
子育てはつらくなるでしょう。
でも
「ああ、今日も同じように、何事もなくすごせたな」と、
穏やかな暮らしに価値を見出し、
幸せを感じられたら、子育ては楽になります。
そうした日々の繰り返しの先には、
「1年経ったらずいぶん成長したな」と思える幸せも。
子育ての「平凡」に幸せがあると気づき
平凡に暮らせることに
喜びや誇りや自信を持ちましょう。