ほめ方・叱り方の極意 1
日々の子育ての中で
「これはほめてあげたい」
「ここはしっかり叱らなければ」と
感じることはたくさんありますよね。
でも、どんなタイミングでどう伝えればよいのか
悩んでいませんか?
ほめるのも叱るのも、その行動の裏側には
「子どもにこういう行動をしてほしい」といった
おうちの方の思いがあるという点では同じです。
ただし、
おうちの方が期待する行動を定着させるには
叱るよりもほめる方が効果があるといわれています。
人間の脳には、よい感情が働いた時ほど
知識や行動がよく定着するという性質があり、
ほめられて「うれしい」という気持ちになると、
その時のよい行動が定着しやすくなります。
一方、
「それはダメ!」と叱られてばかりいると
子どもは自信をなくしたり、
叱られないとやらないようになるおそれがあります。
もちろん、普段はガミガミ言わずに、
いざという時だけ
叱る方が効果的なのは言うまでもありません。
ほめと叱りのバランスは8対2を心がけ、
叱るのは本当に必要な時だけにしましょう。
おうちの方が自分の期待する行動を
取ってほしいという気持ちが強いと
子どもが行動する前から
「◯◯ちゃんなら、できるよね」と声をかけたり
「こういう事はしないでね」と
釘を刺したりすることが多くなりがちです。
でも、
これでは子どもがプレッシャーを感じ、
自分の好奇心のおもむくままに
行動できなくなってしまいます。
子ども達に大切なのは、
さまざまなものに興味を持ち、
自分でやってみるという経験を積むこと。
おうちの方は一歩ひいて、
子どもが自分の意思で行動した後で
ほめたり叱ったりするように心がけましょう。
生命の危険がある場合を除いては、
まず子どもの行動を見守り、
その時の子どもの気持ちを感じ取ったうえで、
必要に応じておうちの方が伝えたいことを
言うくらいでちょうどいいのです。
子どものすべての行動をほめようとすると、
おうちの方は疲れてしまいます。
注意することが必要な場面でも
無理に良いところを探してほめてしまうと、
子どもは「良い・悪い」の区別がつかないので
注意が必要です。
保育園や幼稚園のベテラン先生方は、
子どもが求めているのは表面的なほめ言葉ではなく
ありのままの自分を
受け止めてもらうことだと知っているので、
むやみに子どもをほめることはしません。
おうちの方も、
子ども自身の「できた!」
「頑張った!」という気持ちに
寄り添いたいと思えた時に
ほめればそれでよいのです。
大人にとって都合のよい行動をした時だけ
「上手ね!」「よくできたね!」と言うのは
一見ほめているようでも、
実は大人が「こうしなさい」と
指示しているのと同じです。
子どもは
「自分が良いか悪いかを親に評価されている」と
感じるため、のびのびと自我を育てることが
できなくなってしまいます。
子どもが自信や喜びを感じられるのは
「自分と同じことをおうちの方も感じてくれた」と
思えた時です。
その行動をした時の子どもの気持ちを感じ取り
「自分でできて嬉しいね」と
その思いを言葉にして共感してあげましょう。
ほめる時は、「上手ね」「頑張ったね」という
一般的なほめ言葉だけを使うのではなく
その子らしさが伝わる言葉を選びましょう。
例えば、絵を描いた時に
「上手ね」と言われただけでは、
子どもには何がどうよいのかが伝わりません。
「この赤と緑の色の使い方がステキね」
「太い線で描けたね。力強い、しっかりした絵が描けるのが◯◯ちゃんの持ち味ね」というように
その子ならではの良さを言葉にしてあげると
子どもは何が自分らしいのかがわかり
個性を伸ばしていくことができます。
・無理にほめない
子どもはおうちの方に
共感してもらう方が嬉しいのです。
・ありきたりのほめ言葉だけでほめない
「上手!」「すごい!」だけでは
子どもの心に響きません。
・言葉だけでほめない
大切なのは温かな眼差し。
笑顔で抱きしめてあげるだけでもよいのです。
1歳
遊びの中で言葉と笑顔のやりとりを
まだ他人からの評価をあまり気にしない年代です。
子どもが楽しいと感じる環境で
肯定的な言葉かけと笑顔を心がけましょう。
2〜3歳
評価し過ぎると自由な行動のさまたげに
自我が芽生えて
他人からの評価が気になり始めるので、
ほめ過ぎると
「絶えず評価されている」というプレッシャーに。
評価ではなく、共感した思いを伝えて。