予防接種のココが気になる!
イメージでは軽い病気であっても、
実際にかかると重症になることがあります。
ウワサ話やイメージで決めるのではなく、
病気のこと、免疫や副作用のことなど、
ワクチンについて理解を深め、
納得したうえで判断しましょう。
気になる!
Q 日本で発生していないポリオも接種するの?
A
地球規模でポリオが根絶されればよいのですが、
世界ではまだ流行している国があり、
日本に持ち込まれる可能性があるので、
接種は必要です。
日本ではポリオが大流行した昭和36年に
子ども達に生ワクチンを緊急接種した結果、
患者数が激減しました。
その後、定期化され
野生株(自然界にあるウイルス)による患者は
昭和55年の1名が最後です。
平成24年まで使用された生ワクチンでは、
まれに出現するワクチン株による感染が起きましたが、
現在は欧米と同様、
より安定性の高い不活化ワクチンに
切り替えられています。
決められた回数を受けましょう。
A
両方とも大半の人は軽くすんでいますが、
毎年、脳炎や肺炎を起こして命に関わる患者が
発生していることはあまり知られていません。
命が助かっても治療手段のない後遺症で
苦しんでいる人が大勢います。
身近な病気で患者数が多いということは、
ウイルスの総数も多いということになります。
いったん発病すると、
本人と家族がつらいだけではなく、
ウイルスを増やして周囲に広めることになります。
周囲のみんなの健康も考えて、
ワクチンで予防したいものです。
気になる!
Q 初回接種(3回)+ 追加接種1回と
分かれるのはなぜ?
A
DPTなど不活化ワクチンでは、
1回の接種では十分な免疫ができません。
2回目で発病を抑える強さの免疫ができますが
持続しません。
3回目で十分高い免疫力ができて、
長く持続しますが、やがて低下します。
その後、追加接種すると、その刺激で免疫が
素早く強化(ブースター効果)され、
更に長く免疫を持続することができます。
ですからワクチンは回数を守ることが大事なのです。
大人も追加接種すると、
より確実に免疫がつけられます。
気になる!
Q ワクチン接種でどんな副作用があるの?
A
どのワクチンでも、
接種した部分が赤くなる局所反応が見られますが、
ほぼ1日で収まります。
子どもが気にして引っ掻くようなら
長袖の服を着せ、
もし大きく腫れたときは医師に相談を。
生ワクチンは、接種後1週間〜1ヶ月の間に
軽くその病気の症状が出ることも。
軽い熱でも、発疹など他の症状があるようなら
受診しましょう。
おたふく風邪ワクチンでは
数千人に1人の割合で
無菌性髄膜炎が起きていますが
比較的軽症です。
自然感染では100人に2人と高率で発生し、
症状も重くなります。
ワクチンのリスクはゼロではありませんが、
自然感染した場合のリスクも把握しておきましょう。
Q アレルギーがあると受けられないの?
A
ほぼ問題がないとされていますが、
過去に薬で具合が悪くなった人、
アナフィラキシー(アレルギーによるショック症状)
を起こした人は難しいかもしれません。
インフルエンザワクチンは
強い卵アレルギーがあると受けられない
場合もありますが、主治医と相談を。
Q 日本脳炎ワクチンのあとで病気になった人がいるの?
A
平成17年、日本脳炎ワクチン接種後に
脳脊髄炎を発症したケースは、
ワクチンとの関連が否定できなかった為に
健康被害認定(救済制度の適用)を受けました。
その後、ワクチンの製造方法が見直され、
現在は新しいワクチンに切り替えられています。
平成24年接種後に亡くなった2例は、
「予防接種による影響は不明」、
「他の要因による影響が大きいものと考えられる」
とされ、日本脳炎の定期接種を
中止する必要はないと判断されました。
気になる!
Q 少し熱があるときは受けられないの?
A
目安として37.5度以上の熱があるとき、
明らかに具合が悪いとき、
昨夜から咳が出て止まらないなどの
症状があるときは接種を控えるのが原則です。
鼻水などの風邪症状があっても
体温が37.4度以下なら可能ですが、
医師の判断によります。
気になる症状があるときは、
かかりつけの医師に相談するのが一番です。
Q 子どもが注射嫌い。注射以外の方法はないの?
A
ロタワクチンは飲むシロップ、
BCGはスタンプですが、
他は注射になります。
でも病気に自然感染して
合併症を起こすようなことがあると、
お子さんはワクチンの注射とは比べものにならない、
つらい経験をすることになります。
ママが不安そうだと子どもにも伝わるので
「病気から守るため」と堂々としていましょう。
Q その病気に感染したかも?
予約したワクチンはどうする?
A
病気の種類と感染後の時間にもよりますが、
接種効果があることも。
自然感染のウイルスよりも
ワクチンの方が早く効力を発揮するからです。
麻しんなら自然感染して72時間以内に
ワクチンを接種すると症状が軽くすみます。
感染後のワクチンが有効な場合もあります。
ただおたふく風邪は潜伏期間が3週間と長いので、
予想よりも前に感染しているかもしれません。
周囲の流行状況や、
感染したと思った経緯などをもとに、
かかりつけの医師と相談しましょう。
Q 任意接種のワクチンの費用はどれくらいかかるの?
A
費用設定は自由なので、医療機関によります。
元々ワクチンは高価な薬なので、
数千円〜1万円台が多いようですが、
病院や医院に問い合わせてみると確実です。