食事の「困った」対処法
キチンと食べてほしいけど、
注意ばかりしたくない…。
日々の食事では、どう折り合いをつければいい?
食べる喜びを感じることが最優先
幼児期に大切なのは、
「残さず上手に食べてほしい」という
大人の要求を叶えることではなく、
食べることの喜びを
子ども自身がたっぷりと味わうことです。
食事のマナーは成長とともに習得できますが、
この時期に食事中叱られてばかりで
心が傷付く体験を重ねると、
その子は、「食事は楽しいものだ」と
思えなくなってしまいます。
食べることは、生きる意欲に直結すること。
楽しさや心地よさを感じられるように
配慮しながらサポートしていきましょう。
食べる意欲がない時は、「もうおしまい」でOK
感触を確かめたくて指でツブすなど、
食材への知的な興味から遊び食べをしている場合には、
その好奇心を遊びの時間に満たしてあげましょう。
砂場遊びで泥の感触を楽しんだり、
お風呂で入れ物に水を移し替えたりという体験ができれば、
自然と落ち着いて食事ができるようになっていきます。
食べる意欲がない場合には、
次の食事をしっかり食べれれば問題ないと考えて、
「お腹いっぱいみたいだから、おしまいにしようね」
と引き上げてかまいません。
テレビは消す
テレビの音や映像は子どもにとって強い刺激に。
気が散らないよう、食事中はテレビを消すのを習慣にして。
歩き食べはやめさせる
転んだ時、口に食べ物が入っていると
ノドに詰まらせる危険が。
「食べながら歩くのは危ないよ」と注意を。
食べにくい時はサポートを
自分で食べようと頑張っていても、
時間が経つと飽きてしまうことも。
難しいようなら食べさせてあげて。
次の食事に向けて切り替える
遊び食べが始まったら食事を切り上げ、
体を動かすなどして
次の食事までにお腹が空くようにしてみましょう。
睡眠時間と生活リズムを見直して
睡眠不足など、元気がない状態では、
「自分で食べたい」という意欲もわきにくくなります。
睡眠は十分か、
お腹が空くように体を動かす時間がとれているかなど
生活リズムを見直しましょう。
こぼすことは成長へのステップ
「こぼされると困るから」と、
いつまでも大人が食べさせていると、
子どもの「自分で食べたい」という意欲を
そいでしまうことに。
こぼす経験が成長につながると考え、
見守ることも大切です。
好みは成長と共に変化「嫌いにさせない」配慮を
酸味や苦味のあるものを
危険だと感じて避けたがるのは、
子どもの体に備わっている防御反応です。
成長するにつれて食べられるものは増えていくので、
今は「大嫌いにさせなければよい」と考えましょう。
苦手な食材を無理強いすると
「見るのも嫌!」となりがちですが、
「食べたくなった時に食べれれば大丈夫だよ」と
大らかに構えていれば、
今は苦手でもやがて好きになれる可能性を
残してあげることができます。
調理法を変えてみる
片栗粉でとろみをつける、
葉物は細かく刻んだり汁物に入れたりするなど
調理法が変わると食べられる場合も。
親が美味しそうに食べてみせる
嫌いだから食卓に出さないのではなく、
「こんなに美味しいから食べられるようになるといいね」
と声かけを。
無理強いはしない
無理強いするよりも
「いつかこの美味しさに気づく日がくるよ」と
伝えた方が、食材への興味を引き出します。
同類のものを食べればOK
「ニンジンは苦手だけどカボチャなら食べられる」
というように、
同じ栄養素を含むものを摂取すれば大丈夫です。
食べられるものが増えていればOK
その日の体調や気分により、
「昨日は食べていたものなのに今日は食べない」
ということがあるのは、ごく自然なこと。
すべての食材を食べさせようとはせず、
偏りあっても食べられるものが
増えていればよいと考えましょう。
好物ばかり用意せず「これだけ」という日も
子どもの好きなものを
食卓に並べたくなる気持ちはわかりますが、
同じメニューが続くと、
さまざまな食材と出合う機会がなくなってしまいます。
時には、「このおかずしかないの」と
好物以外のメニューを出すことも忘れずに。
ままごと遊びで楽しみながら練習
スプーンを上手に扱えるようになるのは、
3歳を過ぎてから。
スプーンの持ち方は、
食事の時に注意するのではなく
おままごとなどの遊びの中で楽しみながら
練習するのがおすすめです。
3歳になるまでは手づかみ食べを十分に
自分で食べようとする意欲を
認めてもらえたという実感があれば
「スプーンでも上手に食べたい」と
思うようになります。
3歳になるまでは、
気が済むまで手づかみ食べをさせてあげましょう
ゆっくり食べる子なら本人のペースを尊重して
ゆっくり食べる子の場合は、
食べ始めてから20分程度は本人のペースに任せ、
急かさずに見守って。
効率重視で「食べさせる」のではなく、
親も「一緒に食事を楽しむ」時間だと考えましょう。
時には食事の場所を変え生活にメリハリを
食事の途中でだらけてしまう場合は、
時にはベランダに
レジャーシートを敷いて食べるなど
いつもと違った演出を。
生活にメリハリがつくと、
食事中は食べることに集中できるようになります。
泣いた時におやつであやさない
糖分を多く含むおやつは
少量でも満腹感が得られやすいので、
与えすぎると食欲の低下につながります。
子どもが泣くと、ついおやつを与えがちですが、
スキンシップなど他の方法で解決しましょう。
甘いものではなく栄養を補えるものを
子どものおやつは、
3食ではとりきれない栄養素を補う
「補食」でもあります。
おやつの食べすぎが気になる時は、
茹でたニンジンやブロッコリー、蒸かし芋などを
おやつにするという方法も。
体重が増えていれば大丈夫
飲み物のとりすぎには注意
食べる量には個人差があるので、
その子なりに体重が増えていれば基本的に心配ありません。
ただし、
食事と食事の間におやつをたくさん食べていたり、
食事の前に水分や牛乳を与えすぎたりしている場合は、
お腹が空いた状態で
食事の時間をむかえられるようにする必要があります。
また、子どもは精神的に緊張をしていると
食が細くなりがちなので、
食事の時にはできるだけ
リラックスできるように配慮しましょう。
おやつと飲み物は控えめに
糖分と水分の摂り過ぎには注意が必要。
食事の前に飲み物を欲しがる場合は、
水やお茶50cc程度を目安に。
食事中に叱らない
親がイライラしていると、
子どもは緊張して食欲が失せてしまうもの。
食事中はできるだけ笑顔で。
少量でも食べれたらほめる
「食べ切れた」という達成感を味わえるよう
盛り付けは少なめから。
ほめられる経験が自信につながります。
他の子と比べて心配しない
「他の子より食べない」と心配せず、
「この子がいつも食べる量と同じくらい食べれば大丈夫」と考えて