子どもが急に発熱! 注意したい春の風邪って?
🐼
娘が風邪を引いてしまいました。
熱は、ないんですが
鼻水が出て
拭いても、拭いても
タラ〜と
本人は、いつもと変わらず
元気100倍で走り回ってるので
大丈夫だと思いますけど
症状が悪くならないように気をつけなくては。
杉並堀ノ内クリニック院長/ 粂川好男先生
風邪
寒い時期と思いがちですが、
暖かくなる前にも流行ります。
なかにはただの風邪と安心できない病気も。
どう対応するといいでしょうか。
春の風邪の特徴
風邪を定義すると「咳、鼻水、のどの痛み、発熱などの症状が出て、数日〜1週間程度で自然治癒するウイルスの感染症」となります。
冬ほど大流行もなく重症化することは少ないものの、
春先もいろいろなウイルスの感染症が流行します。
多くは軽く済みます。
ただ高熱が続くケースや、ヒトメタニューモウイルスというウイルスが、乳幼児では風邪症状(咳や鼻水、発熱を伴うこともある)から気管支炎や肺炎を引き起こし、入院になることも多いため注意が必要です。
また時に、溶連菌(ようれんきん)感染症という細菌の感染症が紛れ込むことがあるため、気をつけなくてはいけません。
冬から春にかけてが多く、
38℃以上の発熱と、
のどの痛みが主な症状で、
咳や鼻水はあまりありませんが、
きちんと治療しないと
腎炎やリウマチ熱などの合併症を
引き起こす心配があり、
ただの風邪か溶連菌かの鑑別が重要になります。
小児科医であれば、
問診と診察所見でだいたいの診断がつき、
迅速検査で確定診断できます。
確定したら、抗生剤による治療が必要です。
病院に行く目安は?
⓵ 38℃以上の発熱が3日以上続く
ただの風邪はだいたい2〜3日で熱が下がるので、
ただの風邪ではない可能性がある。
⓶ 発熱とのどの痛みが強い
溶連菌感染症が疑われる。
⓷ 咳がひどくて息苦しい・眠れない
気管支炎や肺炎が疑われる。
このような症状は、病院へ。
よほどの場合でなければ、
平日の日中の受診で間に合います。
高熱でぐったりとして嘔吐を繰り返したり、
けいれんを起こしたりした時は、
夜間や休日でも救急受診をしてください。
風邪の根本的な治療はありません。
栄養や水分、
睡眠や休養をとって、
免疫の力で自然治癒するのを待つことです。
★ 風邪薬は、対症療法でしかなく、乳幼児に は、効果はあまりないとされています。
★ 発熱は、病原体と戦おうとする体の防御反応であるため、解熱剤の使い過ぎは病気を長引かせる原因にもなりえます。
★ 抗生剤は風邪につは効きません。抗生剤の多用は、のどや腸管の正常な細菌叢を破壊して免疫力を弱めたり、耐性菌を増やすなど多くの問題点があります。小児科外来で抗生剤を使うのは、溶連菌感染症や重い中耳炎くらいです。
家庭でのケア
一番大切なのは、
親が具合の悪い子どものそばに、
できるだけ寄り添ってあげることです。
水枕で冷やしたり、
食事や水分を取らせたりと、
身の回りの世話をしてあげましょう。
子どもは安心し、当然、自然治癒力もアップします。
春の風邪は、
誰もが感染を繰り返し、
免疫を獲得していくものです。
乳幼児は、
年間に10日前後風邪を引くといわれています。
薬に頼るのではなく、
親子の力で乗り越えていくことで、
子どもは回復し、
信頼関係や愛情も深くなるはずです。
もちろん手洗い・うがいを習慣化して、
不用意に引かないことは大切ですが、
風邪を引いたらその度に、
子どもは体も心も強くなっていくと
思ってください。
ママ・パパへ一言
「冷却ジェルシート」に
解熱効果はありませんが、
気持ちがいいなら額に貼っても。
38℃以上の発熱の時は
熱がこもらないよう比較的涼しい格好にし、
時々部屋の換気を。
熱がある時の食事は、
食べやすいもの・好きなものを、
様子を見ながら食べられる量を。
水分も好きなもの、
できれば塩分が少量入っているものを
少しずつ与えましょう。
1歳以上の子の夜の咳は、
小さいスプーン1杯のハチミツを
お湯に溶かして睡眠前に飲むと減少します。
ただしハチミツは、
1歳未満児にはボツリヌス菌感染の
危険があるので与えないでください。